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今月の逸品:上境旭台貝塚出土の土偶


今回は,遺跡東部の斜面部に形成された遺物包含層から出土した土偶を中心に紹介します。縄文時代後期後葉から晩期前葉(約3,200年前)のもので,「山形土偶」「みみずく形土偶」「ハート形土偶」「中空土偶」など,文様や表現が様々です。また,土器や土版に人面が描出されたものもみつかっています。土偶は縄文時代の呪術的な道具であり,当遺跡ではこれまでに120点以上の土偶が出土しています。当時の人々の精神世界がかいま見える逸品です。
 
様々な部位の土偶片と人面付土版(上から2段目中央)
 

今月の逸品:整理作業の様子:大堀東遺跡出土の土師器とトレース作業


大堀東遺跡は,下妻市の南東部の小貝川沿岸に位置し,主に平安時代の集落跡が確認されています。整理作業も2年目を迎え,現在作業の方も大詰めとなっています。 今回紹介するのは,平安時代の竪穴建物跡から出土した土師器です。整理作業を進めた結果,竪穴建物跡はすべて平安時代のもので,9世紀中葉から10世紀後葉にかけて集落が営まれ,最盛期を迎えていたことががわかりました。竪穴建物跡からは,当時の人々が煮炊きや食事などで使用した土師器の坏,椀,高台付坏,高台付椀,甕,甑などが主に出土しています。細かくみていくと作り手の個性がみえたり,器種によって用途を想像することができたり,なかなか楽しめる遺物たちです。 こういった遺物たちの特徴を捉えながら図化し,製図用のペンでトレースする作業を行っています。
 
出土した土師器 遺物図版のトレース作業
 

今月の逸品:水戸城跡出土の焼塩壺


水戸城跡は,水戸市の北部を流れる那珂川右岸の標高26mの上市台地上に位置しています。平安時代と江戸時代から昭和時代までの遺跡です。現在,整理をしているのは,水戸藩附家老の中山備前守の屋敷跡地とされているところです。今回ご紹介するのは,江戸時代の土坑や江戸〜明治時代にかけての整地跡から出土している焼塩壺です。焼塩壺は, 蓋を伴う小形の土師質土器で焼塩の製造と流通とを兼ねたコップ型の容器です。武家の宴席などで用いられる特殊な塩として贈答用に用いられていた高級品です。この焼塩壺の刻印『泉湊伊織』から,1720年〜1760年頃に関西地方で作られた焼塩壺であることがわかります。水戸城下の中山氏の屋敷跡地で確認されたことにより,中山氏の有力さが伺えます。
 
 
『泉湊伊織』の刻印のある焼塩壺  
 

今月の逸品:つくば金田西坪B遺跡の瓦


つくば金田西坪B遺跡は,つくば市の北東部を流れる桜川右岸の標高25mの台地上に位置しています。縄文時代から江戸時代にかけての複合遺跡です。奈良・平安時代の寺院に関する軒丸瓦・軒平瓦・丸瓦・平瓦などが出土しています。
今回ご紹介する瓦は,県西部の結城廃寺・結城八幡瓦窯跡などでも出土している軒丸瓦(鋸歯文縁単弁十六葉花文)や凸面に縄叩きや格子叩き,凹面に布目の痕がある平瓦などの古代瓦です。これらの瓦は,奈良・平安時代の溝のほかに,中世の溝や方形竪穴遺構・地下式坑などからも大量に出土しました。隣接する九重東岡廃寺では,瓦を竈の補強材として再利用した竪穴建物跡もあり,瓦を部材として利用した後に,投棄したことがうかがえます。
 
第41号溝跡・第12号井戸跡から出土した瓦
(鋸歯文縁単弁十六葉花文の軒丸瓦と唐草文の軒平瓦)
溝跡などから出土した瓦
(凸面の縄叩きや格子叩きのある平瓦)
 

今月の逸品:島名前野東遺跡の遺物


島名前野東遺跡は,つくば市の南西部を流れる谷田川右岸の台地上に位置し,旧石器時代から近世にかけての遺構や遺物を多数確認しました。平成25年度に行われた発掘調査では,古墳時代の中期から後期にかけての竪穴建物跡6棟のほか,土坑や溝跡,炉跡,方形周溝遺構,ピット群,近代の炭焼窯跡などを確認しました。特に,古墳時代には米作りに加えて畑作が行われるようになると,集落の位置が低地に面した台地の斜面部から平坦な台地の中央部へと広がっていく様子が分かりました。
今回ご紹介する遺物は,当遺跡の竪穴建物跡やその周辺から出土した土師器の坏や甕,甑のほか,土玉,石鏃,スクレイパー,水晶の剥片などです。これらの遺物はほぼ完形に近い状態で出土しています。
 
第140号竪穴建物跡から出土した遺物(坏・甕・小形甕・甑・手捏土器) 第137・140号竪穴建物跡と遺構外から出土した遺物(土玉・丸玉・石鏃・スクレイパー・水晶の剥片)
 

今月の逸品:上境旭台貝塚出土の漆器


上境旭台貝塚は,つくば市の東部に位置する縄文時代後・晩期を中心とする集落跡です。平成28〜30年度に行われた発掘調査において,遺跡南部の斜面部に形成された斜面貝層と東部の低地部の水場,南部から北東部にかけての斜面部は遺物含包層などの様子が明らかになりました。今年度は,それらの報告書作成業務を行っています。  
今回ご紹介する遺物は,遺跡東部の低地部から出土した漆器です。縄文時代後期中ごろ(約4,000年前)のもので,木製の木地に赤や黒の漆が重ね塗りされた,鉢・片口鉢・脚付鉢・柄杓・飾り弓など約40点が出土しました。なかでも,大型の鉢(写真)は,口径32p,器高16p,全体の約4割が残る破片です。外・内面に赤漆が塗られており,内面には別な赤漆で円文や大振りな入り組み文が描かれ,外面の口縁部と胴部には菱形の格子状の区画内に方向が異なる斜線文が施されています。縄文時代の漆工芸の技術の高さを知ることができる優品といえます。
 
漆器鉢外面の口縁部と胴部には,菱形の格子状の区画内に方向が異なる斜線文が施されている。 漆器鉢内面には別な赤漆で円文や大振りな入り組み文が描かれている。
 

 
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