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潮来事務所 [ご案内マップ]

〒311-2431 茨城県潮来市清水867−283
 

清水原山遺跡(きよみずはらやまいせき 08-223-146) [ご案内マップ]

所在地 茨城県潮来市清水原893-27番地ほか
立地 潮来市の北西部,霞ヶ浦と北浦に挟まれた標高約38mの台地上
調査原因 東関東自動車道水戸線(潮来〜鉾田)建設事業
委託者 国土交通省関東地方整備局常総国道事務所
調査期間 2015年11月1日〜2016年3月31日
調査面積 5,374㎡
種類 集落跡
主な時代 縄文時代
主な遺構 竪穴建物跡7棟(縄文),土坑174基(縄文69・時期不明105),溝跡11条(時期不明),道路跡1条(時期不明)
主な遺物 縄文土器(深鉢・把手付浅鉢),須恵器(壺),土製品(土器片錘・土器片円盤・有孔土器片円盤・耳栓),石器(鏃・磨製石斧・石皿・磨石・敲石・凹石・軽石製浮子),自然遺物(固結破砕貝・貝殻)
*主な時代をクリックすると年表が出ます。
 

調査の状況

今年度の調査が終了しました。調査の結果,縄文時代を中心とした竪穴建物跡7棟をはじめ,土坑174基,溝跡11条,道路跡1条を確認し,縄文時代中期に集落が営まれていたことが明らかになりました。縄文時代中期の竪穴建物跡の周囲には,円筒形に掘り込まれた土坑が数多く確認され,それらの中からは,当時の人々が食べたハマグリなどの海で採れる貝などを捨てた痕跡(地点貝層)も発見されました。また,狩猟具の石鏃,食物加工具の磨石や石皿をはじめ,土器片を加工した錘(おもり)や軽石製の浮子(うき)も出土していることから,狩猟や木の実の採集に加えて,当時の霞ヶ浦や北浦といった豊かな内海での漁労などで,多くの食料を獲得していたことが分かりました。
 
調査区遠景(遠くに霞ヶ浦を望む) 縄文時代の竪穴建物跡と土坑群
   
土器片を加工した錘(土器片錘) 軽石製の浮子(一部)
 

調査の状況

南東側の調査区からも,数多くの竪穴建物跡や土坑をはじめ,堀跡や溝跡などを確認しました。竪穴建物跡や土坑からはたくさんの縄文土器(加曾利EⅢ〜Ⅳ式土器)が出土しており,縄文時代中期後葉の集落跡の様相が明らかになってきました。竪穴建物跡の周囲には,円筒状またはやや袋状に掘り込まれた土坑が多数存在しています。第61号土坑内からは,縄文土器片とともにウミニナを主体とする貝層を確認することができました。特徴的なのは大部分の貝が破砕され,10〜30cmほどの厚さで固まった状態で出土したことです。当時の人が意図的に貝殻を破砕し,まとめて廃棄したものと考えられますが,何のために破砕され,どのように凝結したのかなど,多くの謎が残されています。
 
第61号土坑内貝層の広がり 凝結した破砕貝
 

調査の状況

調査区の北西側のA区の斜面部に位置する第26号土坑では,多量の縄文土器片が土坑の内部に流れ落ちるように積み重なって出土しました(このような状態を土器塚と呼ぶ場合もあります)。出土した縄文土器片は,縄文時代後期前葉(堀之内式土器)のもので,当時の人々がこわれた土器をまとめて廃棄した可能性があります。しかし,今回の調査区から同時期の竪穴建物跡が確認できなかったため,集落は調査区域外に存在していると考えられます。今後は,南東側の調査区を中心に進めていきます。
 
第26号土坑の調査 何層にも積み重なった縄文土器片
 

調査の状況

第1号竪穴建物跡の地床炉の全貌が明らかになりました。炉は径60cmの円形で,深さは床面から20cmほど掘り込まれていました。炉の内部は火を受けて赤く焼けており,一定期間,継続的に使用されていた痕跡が認められます。このように,深い掘り込みの地床炉は縄文時代中期後葉以降に確認される傾向があり,出土した土器からも,本跡は縄文時代中期後葉(加曽利EⅣ式土器)の竪穴建物跡と考えられます。また,竪穴建物跡の覆土下層からは,土製耳飾りが出土しています。この土製耳飾りは耳栓(じせん)と呼ばれ,耳たぶに穴をあけて装着したと推測されています。このタイプの土製耳飾りは,主に縄文時代中期以降に用いられたと考えられています。
 
楕円形の掘り込みの第1号竪穴建物跡 よく使い込まれた地床炉
 
調査区際から発見された第1号竪穴建物跡
 

調査の状況

遺構確認作業が終了し,本格的な調査を始めました。2か所に分かれた調査区の北西側のA区では,縄文時代中期の竪穴建物跡2棟などを確認しました。第1号竪穴建物跡は,約3mの楕円形で,縄文土器片などが出土しています。床面の中央部付近に地床炉が構築されています。また,第2号竪穴建物跡からは,ハマグリを主体とした貝層を確認しました。建物が廃絶された後,窪地状になったところへ廃棄されたものと考えられます。今後,貝種構成や動物遺存体などの分析を通じて,当時の漁労を中心とした食料採集活動のあり方にアプローチしていきたいと思います。
 
調査区際から発見された第1号竪穴建物跡 第2号竪穴建物跡内貝層の広がり
 

調査の状況

調査開始から1か月が過ぎ,遺構確認作業が終了しました。確認した遺構は,竪穴建物跡,溝跡,道路跡,土坑などです。竪穴建物跡の時期は,形状や遺物から,縄文時代のものと考えられます。今後の調査で,縄文時代の集落跡の様相を明らかにしていきたいと思います。
 
遺構確認状況(南西から)
 

調査の状況

11月から調査が始まりました。表土除去が終了し,現在は西部から遺構確認作業を進めています。東部の遺構確認作業が終わり次第,本格的な調査に入っていきます。
 
西部の遺構確認状況(南から) 西部の遺構確認状況(北西から)
 

 
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