今月のイチオシ(2025.3):篭沼遺跡出土の蔵骨器
2025.3.1
発掘・整理遺跡
今月のイチオシは、常総市の篭沼遺跡から出土した奈良時代の蔵骨器です。須恵器の短頸壺を利用した骨壺で、口頸部と蓋は失われていましたが、内部には焼かれた成人一人分と推定される人骨が残っていました。
古代の日本で初めて火葬が行われたのは、西暦700年の僧・道昭だといわれています。以降、天皇、貴族や官人、僧侶の多くが火葬を行うようになりました。
火葬墓は官衙などの公的な建物跡や寺院跡などの周辺で発見されることが多いのですが、当遺跡の周辺ではそのような拠点的な遺跡は見つかっていません。どのような人がこの蔵骨器に納められたのでしょうか。

篭沼遺跡出土の蔵骨器