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小川百里事務所

〒311-3406 小美玉市下吉影字新田出口二番2187番地の3
 
遺跡名
調査期間
主な遺構
主な遺物
百里原海軍飛行場掩体壕 平成18年4月〜平成18年10月 現代 掩体壕  
石川西遺跡 平成18年4月〜平成18年10月 縄文時代 竪穴住居跡,土坑 縄文土器,土製品,石器,石製品
*主な時代をクリックすると年表がでます。
 

百里原海軍飛行場掩体壕 (ひゃくりはらかいぐんひこうじょうえんたいごう)


平成18年7月の調査状況

 
7月末をもって,掩体壕5基の測量調査が完了しました。昨年度の調査と合わせると7基の調査が終了し,このような掩体壕の本格的な調査は県内初となりました。来年度以降に整理作業が実施され,この貴重な戦争関連遺跡の調査成果を報告する予定です。
上空から見た第7号掩体壕です。車と比較するとその大きさが分かります。
 

平成18年6月の調査状況

 
平板という道具を使って,50cm単位で等高線を測量し,現状を正確に記録しています。今年度調査する5基の掩体壕のうち,4基の測量が終了しました。第3号掩体壕からは軍用機の機銃の弾が3点見つかっており,弾の規格(口径12.7mm)などから,当掩体壕がアメリカ軍による機銃掃射を受けたことがうかがわれます。
 
平板を使って,掩体壕を実測しています。
 (第7号掩体壕)
口径12.7mmの機銃の弾が見つかりました。
 (第3号掩体壕)
 

平成18年4月から5月までの調査状況

 
掩体壕は,第二次世界大戦末期にアメリカ軍の空襲から軍用機を守るために基地周辺につくられた格納施設です。旧百里原海軍飛行場の周辺にも80基ほどの掩体壕がつくられ,そのうち15基ほど現存しています。今年度は,5基の掩体壕を調査します。現在,航空写真撮影が終了し,これから測量調査を実施するところです。良好な記録をとり,貴重な戦争遺跡を後世に伝えていきたいと考えています。

 
掩体壕の正確な形を記録写真に
おさめるため,入念に清掃しています。
大型のラジコンヘリコプターにカメラを搭載し,
上空から見た掩体壕を撮影します。
 

石川西遺跡(いしかわにしいせき)


平成18年9月から10月の調査状況

 
10月末をもって調査が終了し,縄文時代中期の集落の一部であることが判明しました。小美玉市域での縄文集落の本格的な調査ははじめてのことであり,当地域の縄文時代の社会様相を解明する上で貴重な資料となりました。次年度以降の整理作業によって,より詳細なご報告ができるものと考えています。
 
西上空からみた遺跡の様子
出土した縄文土器

平成18年7月から8月の調査状況

 
遺構を掘り込む調査が始まりました。縄文時代中期(今から4500年ほど前)の竪穴住居跡が20軒,土坑が160基ほど確認されています。土坑はフラスコ状土坑(または袋状土坑)と呼ばれる底がふくらんでいるものが多く見られ,主に木の実などの食料を貯蔵するための穴であったと考えられています。これらの土坑からは縄文土器がたくさん出土しています。
 
断面の形が理科の実験に使うフラスコに
似ている様子が分かります。
フラスコ状土坑の壁際からは,完形に近い形の
縄文土器が出土しています。

平成18年6月の調査状況

 
遺構を確認する作業が始まり,竪穴住居跡や土坑などが見つかっています。これらの遺構の分布をつかむことで,少しずつ遺跡の全体像が分かり始めました。また,磨石(すりいし=クルミやどんぐりなどを粉状にするために用いた石器)や石斧(おの),石鏃(せきぞく=弓矢の先につけた石器)などの石器も多数出土しています。7月中旬には遺構の本格的な調査が始まり,より多くの情報を得られることと思います。
 
褐色の関東ローム層の面から家の跡が
黒っぽく見え始めました。
石斧や石鏃,磨石などの石器が出土しています。
(左上のクルミは現代のもの)

平成18年4月から5月までの調査状況

 
縄文時代中期(今から4500年ほど前)の遺跡です。現在は試掘調査(家の跡などがどのくらいの深さから見つかるのかや分布の様子などを調べるための試し掘り)の段階で,竪穴住居跡や土坑などが見つかっています。試掘によって,多量の縄文土器のほか石でできた斧(おの)や縄文人のアクセサリーであるけつ状耳飾(けつじょうみみかざり)などが出土しており,本調査への期待が高まっています。
 
試掘調査は調査開始にあたって
欠かせない仕事で,貴重な情報をたくさん
得ることができます。
ピカピカにみがかれたけつ状耳飾は,
縄文人の生活の中でひときわ輝きを
放っていたことでしょう。
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