整理センター国田分館では,今年度22遺跡の整理作業を行い,各遺跡で様々な成果が得られました。その内の2遺跡について紹介します。
東海村の村松白根遺跡は,15世紀後半から17世紀初頭にかけての大規模な製塩施設に関連する集落及びこの集落に伴う墓域があったことがわかりました。出土遺物では,瀬戸・美濃系の国内陶器,中国製の椀・皿類の磁器などのほか,2,000枚以上の古銭が出土し,当時の人々の生活を知る貴重な資料が整理されました。またこの地域に残る「千々乱風の伝説」や文献資料の「塩竃」を証明することができた遺跡として注目されます。
筑西市の栗島遺跡は,奈良・平安時代の流路跡や水場遺構から多量の土器や木器・木製品が出土し,木簡5点を始め,墨書・漆書・刻書・へら書きされた土器が224点確認されました。1,000点を超える鍬,竪杵,鳴鏑,曲物,挽物などの木器・木製品の中には役人が使用したり,管理したりするものが多く,周辺に新治郡衙に関連する施設が存在したと考えられます。 |