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●美浦事務所 |
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〒300-0413 稲敷郡美浦村大谷890 |
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遺跡名
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調査期間
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主な遺構 |
主な遺物 |
大谷貝塚 |
平成18年4月〜平成19年3月 |
縄文時代,弥生時代,古墳時代,平安時代,中近世 |
貝塚,竪穴住居跡,土坑,遺物包含層 |
縄文土器,石器,土師器,須恵器,石製品,貝製品 |
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*主な時代をクリックすると年表がでます。 |
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●大谷貝塚(おおやかいづか)
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2月までの調査で,斜面貝層の掘り込み作業が,貝層断面観察用のベルトを除いてほぼ終了しました。縄文時代前期の貝層は,斜面の中央部深くまで広がっており,たくさんの縄文土器をはじめ,シカの骨や角を素材にした刺突具が出土しました。さらに,うつ伏せのように頭を下にして両足を折り曲げた状態の人骨が発見されました。骨は大変もろくなっていますが,埋葬の仕方がはっきり分かる重要な発見となりました。また,貝層の様子をより良く後世に伝えるために,貝層の剥ぎ取り作業が行われ,人骨は崩れないように周囲の土ごと現場から切り出されました。今後,詳しく分析していく予定です。 |
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埋葬された状態の縄文時代前期の
人骨です。
(ピンポール1目盛り5cm)
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縄文時代前期の主な骨角器です。
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12月までの調査では,斜面部に広がる貝層の掘り込み作業を中心に進めてきました。貝層のほぼ全体に調査が進み,やっとその全貌がわかってきました。斜面部の標高の高い範囲には,縄文時代前期中葉(今から5,500年前)の貝層が広がっており,その中から黒浜(くろはま)式や植房(うえぼう)式と呼ばれる特徴的な土器が出土しています。また,シカやイノシシの骨をはじめ,タイやスズキなどの魚骨が多量に発見されています。鹿の角には鋭い石器で切断した跡が見られるものが多く,中には先端を尖(とが)らせた刺突具(しとつぐ)などに加工したものやイノシシの牙で作った装飾品など,たくさんの骨角器が出土しています。斜面部中央の縄文時代中期後葉(今から4,500年前)の貝層は,ほとんど土の混ざらない「純貝層」と呼ばれる貝殻だけの層が厚く堆積していることがわかってきました。その中からは縄文土器などはほとんど出土しません。短期間にたくさんの貝を採り,貝殻をまとめて捨てた可能性が考えられます。 |
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斜面部の調査風景
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斜面部中央の中期後葉の貝層を掘り込んでいます。
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10月までの調査では,斜面部に広がる貝層の掘り込み作業を中心に進めてきました。斜面部の標高の高い範囲からは,縄文時代前期中葉(今から5,500年前)の貝層が発見されました。さらにその下に広がる黒色土の中からは,縄文時代早期の土器片が出土しはじめています。掘り進むほどに古い時期の土器や貝層が顔を出し,毎日が新しい発見の連続です。土器は完形品に近いものが目立ちはじめ,シカやイノシシの骨を中心に,魚の骨なども多量に出土しています。貝層は最も深い地点で,約1.5mを超える状況です。貝層の調査はちょうど折り返し地点にさしかかったところです。また,10月22日(日)には現地説明会が行われ,240名を超える皆様に見学していただきました。縄文人の生活を垣間見ることのできる大谷貝塚を,今後もたくさんの方々に見ていただきたいと思います。ぜひとも見学にお越し下さい。 |
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貝層の中から縄文土器がそのままの姿で
出土しました。
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斜面部の標高の高い範囲の貝層の状況です。
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8月までの調査では,貝塚の表面の土を取り除く作業が終了しました。その結果、貝層は標高20〜23mの南北約22m,東西約23mの範囲に広がり,最も厚い地点で約1.3mもあります。現在,掘り込み作業を進めている地点からは,縄文時代中期(今から約4500年前)の土器片・打製石斧(だせいせきふ)・磨製石斧(ませいせきふ)などが多量に出土しています。また、貝殻(かいがら)・獣骨(じゅうこつ)・魚骨(ぎょこつ)なども出土し,縄文時代の人々の生活の様子がうかがえます。今後の調査がとても楽しみです。 |
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貝層を調査している様子です。
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斜面貝層から出土した代表的な貝です。
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6月の調査では,台地上の表土を取り除く作業が終了しました。その結果,縄文・弥生・古墳時代のムラが広がっていることが判明しました。特に一辺が25mを超すような方形にめぐる溝跡が確認されました。古墳の可能性もあり,今後の調査がとても楽しみです。現在,斜面部にある縄文時代中期の貝塚の進めています。貝の種類はハマグリを主体として,ハイガイ・サルボウ・アサリ・カガミガイなど,海産の貝類で占められています。縄文時代の環境は今とは大きく変わっていたことが分かりますね。 |
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縄文時代の貝層の断面を清掃しています。
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斜面部の貝塚の広がりを確認した状況です。
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大谷貝塚は,美浦村立大谷小学校近くの台地上にあります。国道125号バイパスの工事にともなって,約1年間の予定で調査を進めています。4月からの調査では,台地上に縄文・古墳・平安時代のムラが広がっていることがわかってきました。北側の斜面部には縄文時代の貝塚(食べた貝や生活で使用したものを捨てた場所)が見られ,今後の調査で各時代のムラの様子や,とくに縄文人の生々しい生活の様相が少しずつ明らかになってくるでしょう。 |
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縄文時代の貝塚を確認した様子です。
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台地上を試掘調査している様子です。
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