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日立事務所

〒316-0006 日立市末広町5丁目40−12

TEL・FAX 0294−35−9344

 
遺跡名
調査期間
主な遺構
主な遺物
十王堂遺跡 平成20年4月 〜平成20年9月 縄文時代,弥生時代,平安時代 竪穴住居跡,掘立柱建物跡,溝跡,井戸跡,フラスコ状土坑,再葬墓,火葬土坑,土坑 縄文土器,弥生土器,土師器,石器・石製品(石鏃,石錐,石錘,打製石斧・磨製石斧,凹石),土製品(土偶,土器片円盤),金属製品(和鏡,古銭)
*主な時代をクリックすると年表が出ます。
 

十王堂遺跡(じゅうおうどういせき)


平成20年9月の調査状況

 

平成20年9月26日をもって十王堂遺跡の調査が終了しました。4月からの調査の結果,縄文時代中〜後期の竪穴住居跡18軒,フラスコ状土坑11基,遺物包含層1か所,縄文時代晩期〜弥生時代の土坑墓2基や柱材の残る柱穴,平安時代の竪穴住居跡6軒や溝跡1条のほか,各時代の土坑や柱穴450基ほどが確認されました。特に縄文時代については,遺構や遺物,地形の特徴などから遺跡は広範囲で,県北地域を代表する大集落跡であることがわかりました。

 

東上空から見た十王堂遺跡

調査が終了した十王堂遺跡

   

第29号住居跡の石囲い炉

第20号住居跡の埋甕

 

平成20年8月の調査状況

 

8月は貴重な発見が相次ぎました。7月に紹介した弥生時代の土坑墓からは,新たに管玉が砕かれた状態で出土しました。管玉は副葬品と考えられ,破片は70点以上,接合すると8点以上になります。また,この土坑墓に掘り込まれている土坑からは,直径約40cmの柱の最下部が出土しました。出土した土器から縄文時代晩期〜弥生時代のものと考えられます。いずれも県内では初めて確認された事例です。

 

砕かれた状態で出土した管玉

土坑から出土した柱の最下部

 

平成20年7月の調査状況

 

A・B区の調査が終了し,7月からは西側のC区の調査が始まりました。C区は中央部が痩せ尾根状の台地部,西側が低地部になっています。台地上を中心に縄文時代中・後期(約4000年前)の集落跡が確認され,石囲い炉をもつ竪穴住居跡なども見つかっています。さらに,低地部では弥生時代中期(約2000年前)の土坑墓,台地部では平安時代の竪穴住居跡や掘立柱建物跡,井戸跡なども確認され,遺跡の様相が複数の時代にまたがっていることが分かってきました。8月23日(土)には一般公開を予定しております。是非,ご参加下さい。

 

遺構確認作業

押し潰された状態で出土した弥生土器の壷

 

平成20年5月の調査状況

 

予想以上に遺物量が多いため,調査期間が1か月間延長となり,6月30日まで調査を行うことになりました。
A区では,遺物包含層の1面目の掘り込みが終了し,2面目の調査に入ったところです。B区では,住居跡1軒,土坑36基の調査に行っているところです。フラスコ状土坑5基のうち1基から,縄文時代中期(今から4500年前頃)の土器がまとまって出土しました。

 

遺物包含層から出土した遺物(1面目)

第19号土坑から出土した遺物

 

平成20年4月から5月にかけての調査状況

 

当遺跡は,日立市南部に所在し,東側に太平洋を望む海岸段丘に立地しています。調査区域は,標高60mの上位段丘上にあたります。調査期間は2か月間の予定で,平成20年4月1日から開始しました。
調査区は道路を挟んで2か所(北側:A区,南側:B区)に分かれ,A区では,平安時代の住居跡2軒,土坑1基,縄文時代の遺物包含層1か所が確認されています。初めに包含層を掘り込んでいる住居跡2軒から調査を進め,ほぼ完掘しました。現在は,遺物包含層をさらに平面的に掘り進め,遺物の埋没した状況や他の遺構について確認してい るところです。B区では,遺物包含層を掘り終えたところ,土坑23基,住居跡と思われる 遺構2軒が確認され,各遺構の調査にあたっているところです。

 

遺構確認作業

遺物包含層の掘り込み作業

 
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