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●つくば島名事務所 |
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〒300-2655 つくば市島名1721
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TEL・FAX 029-847-9315
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遺跡名
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調査期間
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主な遺構
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主な遺物
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島名熊の山遺跡 |
平成20年4月〜平成20年7月
平成20年9月〜平成20年11月
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古墳時代,
奈良・平安時代,中世
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竪穴住居跡,掘立柱建物跡,土坑,堀跡,溝跡,水溜め遺構,ピット群 |
土師器,須恵器,土師質土器,陶器,石器,石製品,鉄器 |
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*主な時代をクリックすると年表がでます。 |
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●島名熊の山遺跡(しまなくまのやまいせき)
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今年度2期目(9〜11月)となる島名熊の山遺跡の調査が,今月をもって終了しました。9・10月は香取神社前の12区を,11月は妙徳寺脇の15区C区を一部調査しました。15区C区は1期目に調査したB区に隣接しており,遺構も類似しています。確認された遺構は土坑15基,堀跡1条,溝跡2条,道路跡1条,水溜め遺構1基,ピット群1か所などです。これらの遺構からは土師質土器や陶器など中世の遺物が出土しており,B区と同様に堀で区画された中世の墓域跡であったと考えられます。また,堀から出土した遺物には,天目茶碗や茶臼なども見られ,有力な在地領主層の存在もうかがえます。
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今年度2期目の調査となる島名熊の山遺跡は,TX沿線に位置する香取神社前の12区を調査しています。12区は平成17年度にも調査を行い,中世の水田遺構が確認されました。隣接する今回の調査区においても水田遺構の確認が期待されましたが,残念ながら確認することができませんでした。確認された遺構は土坑30基,ピット64基,溝跡8条,柵列1列などです。これらの遺構からは土師質土器や陶磁器などの中世の遺物が出土しており,水田遺構に隣接する中世の生活域と考えられます。また,溝に沿って木の杭が打ち込まれていることから,これらは水田域への導水施設(溝跡)の護岸を目的としたものとも考えられます。
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妙徳寺の西側北調査区の調査が終了しました。この場所からは,竪穴住居跡3軒,掘立柱建物跡7棟,柵列跡3列,方形竪穴遺構2基,火葬土坑1基,地下式坑7基,井戸跡9基,土坑約400基,溝・堀跡12条が確認されました。竪穴住居跡は,古墳時代1軒と平安時代2軒です。竪穴住居跡以外の遺構の多くは,中世の墓地に関係があるものと思われます。また,この調査区の東側は,永仁5(1297)年に創建されたとされる妙徳寺の境内に隣接しており,関連が注目されます。
今回の調査では,中世における島名熊の山遺跡の様子を探るための手がかりをたくさん得ることができました。古代の島名郷の中心地として栄えていた島名熊の山遺跡は,中世においても盛んに土地利用がなされていたものと思われます。
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妙徳寺の北西側調査区の調査が終了しました。この場所からは,竪穴住居跡7軒,掘立柱建物跡4棟,土坑13基,溝跡1条,道路跡1条のほか,ピットと呼ばれる柱穴もたくさん確認されました。特に,第535号掘立柱建物跡は,桁行3間,梁行3間の側柱建物で,柱穴の掘り方もしっかりとしていました。
現在は,妙徳寺の西側調査区を中心に,竪穴住居跡や,堀跡・溝跡の調査を進めており,たくさんの遺物が出土しています。堀や溝跡から出土した土師質土器や陶器などを見てみると,時期は中世後半のようです。
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島名熊の山遺跡は,平成7年からこれまでの間に10万㎡以上の発掘調査が行われ,3000軒近い竪穴住居跡と,500棟近い掘立柱建物跡が見つかりました。その結果,古墳時代から平安時代にかけての大規模な集落跡の様子と,そこで暮らす人々の生活がだいぶ明らかになってきました。
今年度の調査区は,妙徳寺の北西側と西側の部分で,熊の山遺跡全体の西端に位置しています。現在,北西側の調査区を中心に,竪穴住居跡や掘立柱建物跡,溝跡や道路跡の調査を進めており,たくさんの遺物が出土しています。今回は,15区の未調査部分を明らかにする重要な調査となっています。
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