4月から始まった調査が終了しました。その結果,竪穴住居跡1軒,炉穴4基,溝跡6条,土坑2基,ピット群1か所を確認しました。竪穴住居跡は径が8mほどのやや歪んだ円形で,炉はありませんでした。住居跡から10mほど離れた位置にある炉穴は火を受けた痕が明瞭に残り,底面が赤く変色していました。時期は,いずれも縄文時代早期のものです。このことから,煮炊きは屋外で行い,住居内は寝食の場として使用していたと思われます。
当遺跡の1km東には,同じ時期の甚五郎崎遺跡や下高井向原T遺跡が存在しており,当遺跡の所在する取手市下高井地区の台地上には,小規模ながら複数の集落が点在していたことが分かりました。
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