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整理センター見和[ご案内マップ]

 
千天遺跡(ちてんいせき)[ご案内マップ

整理の成果
当遺跡は,大洗町の南西部に位置し,東側に太平洋,西側に涸沼を望む,南北に細長い標高35mほどの鹿島台地平坦部に立地しています。

整理作業の結果,縄文時代から江戸時代までの断続的な人々の生活の営みが確認できました。縄文時代では,集落に伴う袋状土坑と呼ばれる貯蔵穴から出土した土器は,加曽利E?式土器を中心としていることが分かりました。弥生時代では,主として初期の十王台式土器が確認できました。奈良時代では,遺物包含層から出土した須恵器の高台付坏には「大屋 厨(おおや くりや)」と墨書されており,当時この地域が大屋郷に属していたことを裏付けてくれました。中世では,竪穴遺構や地下式坑から,土師質土器の皿・内耳鍋や輸入磁器の八角小坏(はっかくしょうはい)が出土しており,これらの遺構が室町時代に機能していたことが分かりました。また,地下式坑を掘り込んだ土坑から出土した「竹垣薄双鳥鏡(たけがきすすきそうちょうきょう) 」は,平安時代末期に制作された和鏡ということが分かり,長く伝世した鏡が室町時代以降に埋められたようです。
袋状土坑から出土した縄文土器
土坑から出土した「竹垣薄双鳥鏡」


宮内遺跡(みやうちいせき)[ご案内マップ

整理の成果
当遺跡は,坂東市のほぼ中央に位置し,市内を南流する江川右岸の標高12〜19mの台地上から低地に向かう緩やかな斜面部に立地しています。
整理作業の結果,古墳時代から江戸時代にかけて,断続的に人々が様々な営みを行っていたことが分かりました。奈良時代では,鍛冶工房跡3基から鍛冶の際に飛び散る鍛造剥片や粒状滓,土製の羽口(鍛冶炉に風を送るふいごの送風口)が出土し,鉄を鍛える小鍛治をしていたことが分かりました。また,土師器の甕や土師質土器の内耳鍋などは,武蔵型と呼ばれる現在の埼玉県地方の影響を受けたもので,人と物が他地域と活発に交流していたことが分かりました。江戸時代では,墓坑に埋納された六道銭300枚以上うちの1枚は,「南無阿弥陀佛」と鋳された県内でも大変珍しいものでした。
出土した羽口
出土した鍛冶の道具と鉄製品


長右衛門元屋敷遺跡(ちょううえもんもとやしきいせき)[ご案内マップ

整理の成果
当遺跡は,坂東市の中央部に位置し,市内を南流する江川右岸の標高18〜19mの台地上に立地しています。
整理作業の結果,縄文時代から江戸時代にかけて断続的に人々が営みを行っていたことが分かりました。平安時代の火葬墓から出土した蔵骨器は,須恵器の高台付皿,鉢,甕を転用したもので,内容器を外容器で包み埋納する方法がとられていました。この方法は,霞ヶ浦周辺の県南地域に多くみられ,当地域でも同様に埋納されていたことが分かりました。
江戸時代の14棟の掘立柱建物跡は,規模や桁行方向が同じことや重複関係から,2〜4回ほど建て替えを行っていることが明らかとなりました。また,屋敷の範囲内の土坑から出土した600点以上の陶磁器類は,瀬戸・美濃,肥前,益子などで生産されたものであり,江戸時代の庶民層の生活を生々しく物語っています。
須恵器を転用した蔵骨器
廃棄土坑から出土した肥前系陶器の土瓶


古屋敷遺跡(ふるやしきいせき)[ご案内マップ

整理の成果
当遺跡は,古河市東部に位置し,旧飯沼から樹枝状に発達した谷津によって形成された標高21mほどの台地上に立地しています。
整理作業の結果,縄文時代と江戸時代に人々が様々な営みを行っていたことが分かりました。出土した土器は,縄文時代後期の堀之内1式土器が多く,後期前葉の集落が中心の遺跡であることが明らかになりました。また,土坑から出土した土器には,東北地方南部でみられる綱取?式土器の影響を受けている土器が見られ,当地域との文化や技術の交流が考えられます。
江戸時代の掘立柱建物跡と井戸跡は,それぞれから出土した土師質土器の小皿と香炉の製作時期が近く,同時期に存在していたことが分かりました。両者は,母屋と付属施設からなる屋敷跡の一部であったと考えられます。

東北地方南部の影響を受けた縄文土器
江戸時代の屋敷跡


恩名新三郎遺跡(おんなしんざぶろういせき)[ご案内マップ

整理の成果
当遺跡は,古河市東部に位置し,古屋敷遺跡から北へ約500mの台地から低地へ向かうなだらかな斜面に立地しています。
整理作業の結果,縄文時代に人々が様々な営みを行っていたことが分かりました。竪穴建物跡から出土した縄文土器は,撚糸文系土器と呼ばれるもので,棒状の用具に縄を巻きつけ施文されています。この土器様相から縄文時代早期前葉の稲荷台式期に比定でき,今から約9000年前の集落の一部であることが分かりました。また,竪穴建物跡を掘り込んだ炉穴からは,茅山式期の条痕文系土器が出土しており,早期後葉の約6000年前にも人々が生活していたことも分かりました。
第5号竪穴建物跡の調査風景
縄文時代早期の撚糸文系土器


整理センター開館のお知らせ

整理センターでは,茨城県内の発掘調査で記録した図面の整理や出土した土器の接合・復元・実測などの作業を行い,報告書を作成しています。

本年度は,稲敷市清水古墳群・神屋遺跡,つくば市高須賀中台東遺跡・島名熊の山遺跡・面野井古墳群,境町西泉田伏木遺跡・山崎遺跡群,五霞町宿北遺跡・宿東遺跡・寺山遺跡,大洗町千天遺跡,取手市取手宿跡・神明遺跡,坂東市宮内遺跡・長右衛門元屋敷遺跡,古河市古屋敷遺跡・恩名新三郎遺跡の8市町村の17遺跡を整理する予定です。

現在,発掘調査で記録した図面を点検・修正や出土した土器を復元する作業を行っています。今年度は,整理センター見和と整理センター国田分館で作業を行っており,事前に申し込んでいただければ,整理作業の見学,図書の閲覧が可能です。

昨年度は,地域の方々の見学や市内の小学生の体験活動等が行われ,喜びの声を頂きました。本年度も,たくさんの方々のご来館をお待ちしております。

開館日:毎週月曜日〜金曜日(土・日曜日・祝祭日は閉館)
開館時間:午前9:00から午後4:30まで

連絡先:
整理センター見和 水戸市見和1-372
  TEL 029-224-5543
地図URL:http://www.mapion.co.jp/m/36.3749613572104_140.4434933732614_10/
 
写真1 ようこそ歴史の広場へ。
写真2 報告書の閲覧もできます。
 
写真3 図面を点検します。
写真4 土器を復元します。
 

 
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