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日立事務所 [ご案内マップ]

〒316-0036 茨城県日立市国分町1丁目
768 812 326*71
「マップコード」および「MAPCODE」は(株)デンソーの登録商標です。
 

八反遺跡(はったんいせき 08-202-102) [ご案内マップ]
768 812 267*38

所在地 日立市国分町1丁目95-3番地ほか
立地 日立市東部,鮎川と桜川に挟まれた標高23mの台地縁辺部
調査原因 都市計画道路鮎川停車場線整備事業
委託者 茨城県高萩工事事務所
調査期間 2018年2月1日〜3月31日
調査面積 658㎡
種類 集落跡
主な時代 奈良時代,平安時代
主な遺構 竪穴建物跡6棟,掘立柱建物跡3棟,柵列跡1列,溝跡4条,炉跡1基,土坑60基
主な遺物 土師器(坏・高台付坏・甕・長頸瓶),須恵器(坏・高台付坏・高盤・蓋・甕・甑・長頸瓶),灰釉陶器(長頸瓶),土製品(紡錘車・管状土錘),石器(砥石),鉄製品(釘・鎌・鍋)
*主な時代をクリックすると年表が出ます。
 

調査の成果

調査の結果,当遺跡は奈良時代から平安時代にかけて営まれた集落跡であることが明らかとなりました。竪穴建物跡は6棟のうち,西壁中央部に竈を付設した建物跡が1棟,その他は北壁東寄りに竈を付設していました。掘立柱建物跡のうち,ほぼ全体を確認できた2棟については,梁行2間,桁行2間の側柱建物跡で,主軸方向が揃うことから,ほぼ同時期の建物跡と推測されます。出土した遺物から,これらの建物跡の時期は奈良時代末から平安時代前半と考えられます。また,特徴的な遺構として,平安時代の炉跡1基を確認しました。それは径約1.6mもある大型の炉跡で,覆土から鉄鍋とみられる破片や凝灰質泥岩の切石などが出土しています。鉄鍋を用いて何らかの煮沸作業が行われていたと推測できます。炉の外縁部には凝灰質泥岩の切石が半円状に配置され,炉の内面は完全に焼土化していました。大型で切石を用いた堅牢な屋外炉であることから,一定期間,継続的に作業が行われていたことが想像できます。
 
沿岸の台地縁辺部に拡がる古代集落跡 調査区近景
   
第4号竪穴建物跡の切石組み竈 屋外に設けられた大型の炉跡
 

調査の状況

2か月間の調査が始まりました。現在,掘立柱建物跡2棟,竪穴建物跡4棟などの調査を進めています。第2号掘立柱建物跡は,調査区外へ延びますが,桁行2間,梁行2間の正方形の建物と推測されます。柱間は約180cmで,柱穴の掘り込みは,四隅が深く,間は浅い特徴が見られます。第4号竪穴建物跡の覆土最上層からは,内面を黒色処理した土師器坏の底部片が出土しています。この土師器坏の内面には,後から細い鋭利な道具で,格子状に線が刻まれています。こうした刻書は,陰陽道などに関連する「九字切り」の可能性があります。
 
第2号掘立柱建物跡 九字切りの刻書のある土師器坏片
 

 
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