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埋蔵文化財整理センター[ご案内マップ]

〒311-4325 茨城県東茨城郡城里町北方1481(茨城県埋蔵文化財センター いせきぴあ茨城 内)
TEL:029-289-2002
FAX:029-289-2008
Mail:seiri.center@maibun.ibk.ed.jp

188 628 006*40
「マップコード」および「MAPCODE」は(株)デンソーの登録商標です。
 
 

今月の逸品(2023.2):白楽南塚出土の銭貨


今回紹介する逸品は、土浦市の白楽南塚の第1号塚から出土した銭貨です。
当塚は、鎌倉時代から江戸時代にかけて、近隣の住民や、近接する鎌倉街道を行き交う人々の信仰の場となっていたと考えられます。出土した銭貨はいずれも江戸時代に流通していた寛永通寳(かんえいつうほう)、天保通寳(てんぽうつうほう)で、第1号塚とその周辺から、計49枚が出土しました。
 
白楽南塚出土の銭貨
 

今月の逸品(2023.1):那珂市下大賀遺跡出土の人物画の線刻がある石製支脚


今回紹介する逸品は、平安時代の竪穴住居跡の竈から出土した石製支脚です。支脚とは、竈で煮炊きに使う甕を支えるものです。出土した支脚は、正面と側面の2か所に人物画が描かれており、人物画の頭を下にした状態で据えられていました。その出土状況から、竈に神が宿るとされる「竈神信仰」との深い関係がうかがわれます。当時の竈をめぐる信仰を解き明かす鍵となる重要な発見です。
この支脚は、桜川市真壁伝承館で開催している「発掘!!いばらき2022 茨城県教育財団調査遺跡紹介展」で展示しています。ぜひ、ご覧ください。
 
支脚の出土状況(▽が支脚) 竃使用イメージ(断面図)
   
人物画の線刻がある石製支脚と人物画の模式図
 

今月の逸品(2022.12):島名境松遺跡出土の石皿と磨石


今回、紹介する逸品は、つくば市の島名境松遺跡から出土した縄文時代の石皿と磨石です。
石皿は優美な楕円形、磨石は均整のとれた大判形で、石材はいずれも安山岩を利用しています。用途は、石皿の上にドングリやクリなどを置き、磨石で磨り潰して粉をひいたと考えられています。
石皿と磨石は、当時の製粉作業を容易にしただけでなく、縄文クッキーなどの加工食品を生み出し、食生活を豊かにした縄文時代の道具です。
 
島名境松遺跡出土の石皿と磨石
 

今月の逸品(2022.11):中城遺跡出土の弥生土器


今回紹介する逸品は、行方市の中城遺跡から出土した弥生時代後期(約1,800年前)の広口壺です。竪穴住居跡から出土した破片を接合したもので、ほぼ形が分かるまで復元できました。
この壺は、口縁部には工具による刺突列に加え、細くなっている頸部に櫛歯状の工具で文様を描いているのが特徴です。また、膨らんだ胴部にはススが付着し、その下には熱を受けたあとがあることから、煮炊きに使用されたものと考えられます。当時の人々はこの壺でどのような料理を作ったのでしょうか?
 
竪穴住居跡から出土した弥生土器(右上:櫛歯状工具による文様)
 

今月の逸品(2022.9):下河原崎谷中台遺跡出土の角錐状石器


今回紹介する逸品は、つくば市下河原崎谷中台遺跡から出土した旧石器時代(約30,000年前)の角錐状石器です。平面形は紡錘形をしており、石の側縁から急角度の加工をして、断面が三角形になっているのが特徴です。当遺跡では、様々な大きさの角錐状石器が出土しており、良好な資料が揃っています。
 
角錐状石器(上から) 角錐状石器(横から)
 

今月の逸品(2022.8):水戸市舟塚古墳群出土の須恵器


今回紹介する逸品は、水戸市舟塚古墳群から出土した平安時代の初め(約1,200年前)の蔵骨器(須恵器・短頸壺)です。調査の段階では、火葬墓の上面が削平を受けていたため、壺の上半部が壊れていましたが、今回の整理作業で破片が接合し、おおよその形を復元することができました。この壺は、当遺跡の北約3kmにある木葉下窯の製品とみられ、特別な装飾としてヒレ状の突起が18か所も付けられていることが特徴です。
壺の中には少量の骨が残っていましたが、埋葬された人物の性別や年齢層は分かりませんでした。おそらく地域の有力者がこの特徴ある壺に納められたものとみられます。
 
蔵骨器に使われた須恵器
 

今月の逸品(2022.7):島名境松遺跡出土の須恵器高坏


今回紹介する逸品は、つくば市の島名境松遺跡から出土した古墳時代後期(約1,500年前)の須恵器高坏(高さ11.5cm)です。丁寧な整形をしており焼き上がりも堅緻な優品で、胎土などから畿内や遠江など遠くから運ばれてきたものと考えられます。この高坏は、焼失した建物の床から逆さまになって出土しました。当時貴重品であったはずの須恵器が、置きざりにされたのはなぜだったのでしょうか。
 
遠くから運ばれてきた土器
 

今月の逸品(2022.6):上河原崎前山遺跡出土の土製品


今回紹介する逸品は、つくば市の上河原崎前山遺跡から出土した古墳時代中期(約1,600年前)の舟形をしたミニチュアの土製品(現存長6.2㎝)です。棒状の粘土のかたまりを竹の管のような工具を使って形づくり、指で押して形を整えています。割れていた破片3点が接合しましたが、それぞれ色が異なっています。これは、割れた状態で火を受けたためです。なぜ割れてから火を受けたのでしょうか。興味が尽きない遺物です。
 
上河原崎前山遺跡出土の土製品
 

令和4年度の整理遺跡


当センターでは、発掘調査で確認した竪穴住居跡などの図面や写真の整理作業、出土した土器などの接合・復元・実測作業などを行い、遺跡の報告書を作成しています。

今年度は、    
  • 那珂市の下大賀遺跡

  • 水戸市の中道遺跡、寺内遺跡、大城遺跡、舟塚古墳群

  • 笠間市の橋爪遺跡

  • 行方市の中城遺跡・中城古墳群

  • 土浦市の白楽南塚

  • つくば市の島名本田遺跡、島名境松遺跡、上河原崎前山遺跡、元中北東藤四郎遺跡、下河原崎谷中台遺跡、下河原崎高山遺跡
計6市町村の15遺跡について、整理作業を開始しました。
 
埋蔵文化財整理センター
(後ろの森には頓化原古墳があります)
土器の復元作業
 

 
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