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●つくば島名事務所 |
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〒300-2655 つくば市島名1721
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TEL.FAX. 029-847-9550
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遺跡名
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調査期間
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主な遺構
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主な遺物
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島名熊の山遺跡
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平成24年4月〜7月 |
古墳・奈良・平安・室町 |
竪穴住居跡,堀跡,溝跡,井戸跡,土坑
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土師器,須恵器,灰釉陶器,土師質土器,陶磁器 |
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*主な時代をクリックすると年表が出ます。 |
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●島名熊の山遺跡(しまなくまのやまいせき)
[ご案内マップ]
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島名熊の山遺跡14区の調査が終了しました。調査区の北西部には埋没谷があり,その埋没谷と台地上を区切るように,長さ約20m,幅約3.5m,深さ約0.7mの溝跡を確認しました。この溝跡は,調査の結果,古墳時代から平安時代まで継続的に使用されていたことが分かりました。集落を区画するために掘られた溝と考えられます。このことから,当時の人々の境界意識が,時代を超えて長い間継続していたことが分かりました。
また古墳時代の住居跡からは,須恵器の提瓶が出土しました。これは愛知県で焼かれた優品で,当時の政治的背景や交流・交易の結果,当地にもたらされたものと思われます。
さらに平安時代の住居跡からは,鉄製品(鋤先,木の柄部分がしっかりと残っている鑿など)が出土しました。鑿は住居の床を深く掘り込んだ穴から,立て掛けた状態で出土しました。
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南西上空から見た島名熊の山遺跡14区
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住居跡の穴から出土した鑿
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溝からは古墳時代の貴重なものが出土しました。
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左の溝から出土した当時の水筒(提瓶)
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昨年度から継続して調査をしていた16区(遺跡のほぼ中央部)の調査が終了しました。調査区の東部を南北に走る堀跡は中世後半のもので,現代の道路に沿うように走っていることから,当時の区画が現代まで残っていたことが分かりました。堀底は大人一人がやっと通れるほどの幅しかなく,防御性を高める手立ての一つと考えられます。この堀は,有力者層の居館,もしくは寺院を区画するものの一部ではないかと考えています。
5月からは,遺跡の北端に位置する14区を調査しています。現在は遺構の確認作業中で,これまでのところ,奈良・平安時代の竪穴住居跡や土坑などを確認しました。集落の縁辺部に位置する14区の調査を通して,当時の集落の境界意識の有無を確認できればと考えています。今後の調査にご期待ください。
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16区の堀跡です。堀底は粘土層にまで達していました。
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14区の様子です。奥には谷津が入り込んでいます。
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