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●境東事務所 |
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〒306-0413 猿島郡境町大字西泉田1234-13番地
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TEL 0280-87-5890
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遺跡名
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調査期間
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主な遺構
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主な遺物
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山崎遺跡群 |
平成24年8月〜平成25年3月 |
縄文,古墳,平安,室町,江戸 |
古墳,竪穴住居跡,炉穴,溝跡,地下式坑,土坑,ピット群,遺物包含層 |
縄文土器,土師器,土師質土器,陶器,石器,板碑,銭貨
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*主な時代をクリックすると年表が出ます。 |
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●山崎遺跡群(やまざきいせきぐん)[ご案内マップ]
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●長田小学校の6年生が遺跡見学に来ました。山崎遺跡群の現地説明会を開催しました。
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2月15日(金)に,境町立長田小学校の6年生51名が,遺跡の見学に訪れました。はじめに調査員が遺跡の概要などを説明したあと,縄文時代中期の竪穴住居跡や古墳時代中期の竪穴住居跡,室町時代の建物跡などを見学されました。縄文時代の説明では,境町にも縄文時代前期に海があったという話に驚いた様子で「潮干狩りにすぐに行けていいなあ」「貝や魚はどうやって食べていたの?」と興味津々でした。遺物の説明では,出土した土器や石器の製作や使用の様子を聞いたり,遺物に実際に触れたりして,いにしえの人々の生活を身近に感じてもらえたようです。
2月16日(土)には現地説明会が開催しました。強風の中のあいにくの天候でしたが,約200名の方々にご参加いただきました。縄文時代から江戸時代までの複数の時期にわたる遺構や遺物のなかでも,天目茶碗や和鏡などが出土した江戸時代の裕福な農民の生活には特に関心が持たれたようです。江戸時代前期の屋敷跡は,溝に区画された敷地内に,母屋や納屋と考えられる掘立柱建物跡や,液体物を保管した跡と考えられる粘土貼土坑や石臼を据えた土坑などが付属する建物跡,ゴミ穴と思われる深い土坑や井戸跡などが確認できました。母屋の炉跡周辺からは,小形の砥石や長方形の手鏡,煙管などが出土しました。囲炉裏を囲んだ当時の人々の団欒の様子が目に浮かぶようです。境河岸の繁栄や猿島茶の生産開始など,現在の境町の発展の礎ともなる江戸時代の村の様子を明らかにできたことは,境町の歴史を語る上で大きな成果であり,町民の皆さんをはじめとする多くの方々に,庶民のくらしの一端を直に感じていただくことができました。
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「発掘調査ってこんなふうにやるんだよ」
補助員さんの実演に見入る児童たち
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境町の歴史に詳しくなったかな?
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穴に据えられた石臼に色々な意見が飛び交います。
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石器の説明に興味津々です。
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●境東事務所(山崎遺跡群)発掘調査遺跡現地説明会のお知らせ
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一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(圏央道)新設事業に伴い平成24年8月から調査している山崎遺跡群の現地説明会を開催します。当遺跡では,縄文時代や古墳時代の竪穴住居跡や,室町時代や江戸時代の掘立柱建物跡など多くの遺構を確認することができました。現地説明会では,これらの遺構や出土した特徴のある遺物を紹介したいと考えています。皆様のご来場をお待ちしております。
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●1●日時
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平成25年2月16日(土) 午後1時30分公開・説明開始
(午後3時終了予定) |
●2●場所 |
山崎遺跡群 境町大字山崎字新屋敷135-6ほか(ふれあいの里東側)
駐車場 [ご案内マップ]
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●3●調査の概要 |
山崎遺跡群は,境町の東部に位置し,利根川に流れ込む鵠戸川(くぐいどかわ)沿いの低地に面する標高16mの台地上に立地しています。これまでに縄文時代の竪穴住居跡1軒,炉跡10基,古墳時代の竪穴住居跡3軒,室町時代の掘立柱建物跡2棟,土坑約60基,江戸時代の掘立柱建物跡4棟などを確認し,調査を進めてきました。縄文時代の住居跡では,炉の一部に西関東地方で多く見られる曽利式系土器で炉を囲った状況が認められました。古墳時代中期では,住居跡と貯蔵のための土坑がセットで確認できました。室町時代の遺構では,大形の掘立柱建物跡や多数のピット,井戸跡からなる居住域と,お墓と推定される長方形の土坑が群集する墓域が確認でき,当時のムラの一端を明らかにすることができました。 |
●4●問い合わせ先 |
公益財団法人茨城県教育財団
埋文企画管理課 TEL 029-225-6587
境東事務所 TEL 0280-87-5890 |
●5●その他 |
当日の問い合わせは境東事務所にお願いします。
小雨決行。 |
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土器片を炉に利用した縄文時代中期の住居跡
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ほぼ完形で出土した古墳時代中期の甕
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8月から開始した山崎遺跡群の調査も4か月目に入りました。現在までの調査で,縄文時代中期や古墳時代中期の住居跡のほか,室町時代のたくさんの柱穴と建物跡,大形の長方形の土坑や井戸跡を確認しました。なかでも桁行5間,梁行2間の南北棟の大形建物跡は,柱穴が径約1m,深さが約1m以上の大きなもので,覆土中から宋銭や土師質土器が出土しています。長方形土坑は,長軸2〜3m,短軸50?ほどで,数基が軸方向をそろえて重複しています。遺物は土師質土器片が少量出土したのみで時期等は不明ですが,建物跡と軸方向が同じであることから建物跡と同じ室町時代のものと考えられます。板碑片なども出土していることから,葬送儀礼に関わる施設の可能性があります。
また調査区の西側を新たに表土除去して調査したところ,縄文時代初め頃の頁岩(けつがん)製の槍先形尖頭器が出土しました。
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室町時代の建物跡と長方形土坑
(丸い穴が柱の跡です)
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頁岩製の槍先形尖頭器 残存長10.3?
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●石下西中学校の2年生が職場体験に,境町文化財保護審議会が遺跡の見学に見えました。
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10月17日(水)・18日(木)に,常総市立石下西中学校の2年生2名が,発掘調査の仕事を体験するために当遺跡を訪れました。1日目は調査員から遺跡の説明や調査の目的などの話を聞いたあと,実際に,調査員の指導のもと,室町時代の墓坑や溝跡を丁寧に掘り進めました。また,土坑の断面図作成にも意欲的に挑戦し,関根愛実さんは「図面の作業は難しかったです。土器が出土したときはうれしかった。」と話してくれました。2日目は,報告書を作るための基礎作業である遺物の整理作業の体験です。出土した土器や石器を洗浄し,それぞれに固有番号を記録していく注記作業や,割れた土器を接合して復元する作業などを行いました。「接合作業が楽しかった。パズルみたいで,復元できたときは最高です。」と国府田美穂さんは話してくれました。いろいろな作業を体験する中で,遺跡調査の楽しさと難しさ,発掘調査という仕事の大切さを実感してもらえたようです。
10月25日(木)には,境町の文化財審議会の方々が,遺跡の見学に訪れました。はじめに調査員が遺跡の概要などを説明したあと,縄文時代中期や古墳時代中期の竪穴住居跡,室町時代の墓坑などを見学されました。縄文時代の住居跡では,「住居の大きさに対して炉が立派だ。何人くらいが住んでいたのか」や,「変わった文様の土器だが在地のものなのか」などの質問がありました。委員の方々からは「今後とも精度の高い調査をして,境町の歴史の一端を明らかにして頂きたい」と激励の言葉をいただきました。
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遺物を動かさないように丁寧に掘り進めます
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パズルみたいで楽しい土器の復元作業
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縄文時代の住居跡を見学する
文化財審議委員の方々
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出土した遺物に興味津々です
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当遺跡は境町の東部に位置し,利根川の低地から樹枝状に発達し鵠戸川(くぐいどがわ)が南流する低地に面した標高約16mの台地上に立地しています。調査は,一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の新設工事に伴い,平成24年8月から開始しました。
調査区は東側と西側の2か所に分かれており,谷に面した西側の調査区の斜面部からは,縄文時代の住居跡や遺物包含層が,台地上からは平安時代の住居跡や室町時代の地下式坑と溝跡などが確認できました。東側の調査区では古墳時代中期の住居跡や土坑などを調査しています。第1号住居跡は1辺が8mを超える大きさで,4か所の柱穴と入り口ピット,貯蔵穴などが確認できました。また第18号土坑からは,土師器の甕2個体がほぼ完全な形で出土しました。すぐ近くに同じ時期の住居跡があり,そこに住んでいた人たちが使った貯蔵の穴だったのかもしれません。今後の調査で,各時代の遺構の様相と遺跡の性格を明らかにできればと考えています。
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調査中の第1号住居跡
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甕がほぼ完全な形で出土した土坑
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当遺跡は境町の東部に位置し,鵠戸川(くぐいどがわ)左岸の標高約16mの台地上に立地しています。一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の新設工事に伴い,平成24年8月から調査を開始しました。
現在は,重機による表土除去が終了し,遺構を確認する作業を行っています。調査区は大きく2つに分かれており,谷に面したA区(西側)では,斜面部から縄文時代前期の住居跡や縄文時代後期の遺物包含層が,台地上から平安時代の住居跡や地下式坑と推測できる土坑,溝跡などが確認できました。A区の東に位置するB区(東側)では,古墳時代の住居跡や方形周溝状の遺構などが確認できます。今後の調査で,各時代の遺構の様相と遺跡の性格を明らかにしていきたいと考えています。
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調査A区(西側)の遺構確認状況
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ジョレンで遺構確認をするスタッフ
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