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●那珂事務所 |
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●下大賀遺跡(しもおおがいせき 08343-007)
[ご案内マップ]
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所在地 |
茨城県那珂市下大賀845番地ほか |
立地 |
那珂市の北部,久慈川とその支流である玉川右岸の標高40〜42mの台地上 |
調査原因 |
一般国道118号道路改築事業 |
委託者 |
茨城県常陸大宮土木事務所 |
調査期間 |
2015年4月1日〜10月31日 |
調査面積 |
6,359㎡ (内3,033㎡終了,第1次面調査終了737㎡,遺構確認終了2,589㎡) |
種類 |
集落跡,墳墓 |
主な時代 |
旧石器時代,縄文時代,弥生時代,古墳時代,奈良時代,平安時代 |
主な遺構 |
竪穴建物跡・掘立柱建物跡・方形周溝墓・溝跡・道路跡・土坑・石器集中地点 |
主な遺物 |
縄文土器・弥生土器・土師器・須恵器・緑釉陶器・灰釉陶器・土製品・石器・石製品・鉄製品・銅製品 |
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*主な時代をクリックすると年表が出ます。 |
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今年度の下大賀遺跡の調査が終了しました。弥生時代から平安時代にかけての竪穴建物跡53棟,古墳時代の方形周溝墓4基,平安時代の道路跡1条,時期不明の掘立柱建物跡1棟,土坑304基,石器集中地点1か所等を確認しました。旧石器時代から断続的に人々がこの台地縁辺を利用していたことが分かりました。また,平安時代の道路跡は台地を切り開き低地に向かうように作られていました。この道路跡からは県内初の出土となる鉄鐸や貴重品である緑釉陶器が出土しており,以前から考えられていた有力者の存在の可能性がより高くなりました。 |
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調査区遠景(北から) |
礫が敷かれた第2号道路跡の底面 |
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今回は弥生時代の遺構を紹介します。調査区域の北部で,弥生時代の遺物が出土する土坑3基を確認しました。中でも長径約6m,短径約4m,深さ約80cmと大型の第426号土坑は,コンテナ1箱以上の弥生土器などが出土しました。出土した土器から,弥生時代中期の終わりから後期の初め頃(約1,900年前)のものです。南側にステップが作られており,昇り降りを頻繁に行ったことが考えられます。茨城県ではこの時期の資料があまり多くないため,様相がはっきりとしていません。今回の調査で確認できたことを含め,検討を進めていきたいと思います。 |
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南側にステップを持つ第426号土坑 |
第426号土坑出土の弥生土器 |
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現在は調査区域の北側にある道路跡の調査を進めています。低地が広がる東側に向かって幅が広くなり,深く掘り込まれています。土の堆積状況や出土した土器から,平安時代に埋められたと考えられます。破損が少ない土器類も出土しており,東海地方で作られた緑釉陶器もあります。残りの調査やその後の整理作業で,この道路跡がどのように利用されていたかを検討していきたいと思います。また,方形周溝墓の調査も開始しました。これらの調査成果を8月29日の現地説明会で報告します。 |
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深く掘り込まれた道路跡 |
方形周溝墓の調査状況 |
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遺構の確認作業を終え,本格的に遺構の発掘調査を始めました。そのうち国道118号線のすぐ脇で,第88号竪穴建物跡から鉄製の農耕具である鍬・鋤先が出土しました。時代は,出土した土器から平安時代と考えられます。出土した鍬・鋤先は、形がアルファベットの「U」に似ることからU字形鍬・鋤先と言われています。しかしこの鍬・鋤先は,縦に折れたものが,折り重なるように出土しました。破損したために廃棄されたか,再利用のため保管されていたのかもしれません。 |
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第88号竪穴建物跡の遺物出土状況 |
割れた鍬先の出土状況 |
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表土除去工事が終わり,遺構の確認作業を行っています。昨年度までと同様,古墳時代や奈良・平安時代の建物跡が見つかっています。古墳時代の遺物では土器のほかに石製模造品というマツリの道具が見つかりました。この石製模造品は,滑石と呼ばれるやわらかい石を使い,刀子という小形のナイフを模倣したものです。 |
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遺構確認状況 |
刀子形石製模造品 |
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今回は,昨年度の調査区域の北側を調査します。現在は表土除去工事が始まり,遺構の確認作業を行っています。昨年度までと同様,奈良・平安時代の土器の他に縄文土器や弥生土器も出土しています。台地の縁に当たる場所になるため,縄文時代や弥生時代の集落跡も新たに確認できるかもしれません。写真に挙げた縄文土器は,縄文時代早期(約9,000年前)の尖底土器と縄文時代後期(約4,000年前)の深鉢です。 |
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遺構確認作業の様子 |
縄文時代早期の土器(左)と
後期の土器(右) |
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